話が通じない相手と、離婚の話を進めるには?
2025/09/02
「離婚したいのに、話が全然通じないんです」
「何を言っても聞く耳を持ってくれない。調停でもずっと平行線でした」
離婚相談を受けていると、こうした声を本当によく耳にします。
法的な条件や手続きの前に、“そもそも話が成立しない”という壁にぶつかってしまう。
この段階で疲れ果て、先に進めなくなってしまう方も少なくありません。
なぜ「話が通じない」と感じる状況が生まれるのでしょうか。
私がご相談を受ける中で感じるのは、
「話が通じない」というのは、言葉そのものではなく、その奥にあるものが届いていない状態だということです。
たとえば、
・相手が感情的で、すぐに否定や反論を返してくる
・自分の言いたいことを言ったはずなのに、相手にはまったく伝わっていない
こうしたケースでは、お互いに「自分は正しい」という立場から話していて、
“聞く準備”ができていないことがほとんどです。
その背景には、不安や怒り、傷つきといった整理されていない感情がある場合も少なくありません。
そんな状態では、どんなに筋道立てた主張をしても、相手には届きません。
むしろぶつかり合いが激しくなるだけです。
私は、弁護士として「主張を伝える」ことはもちろん大切にしています。
でもそれ以上に、「どういう順番で伝えるか」「どこまで踏み込むか」「今その言葉は相手に届くか」といった
進め方そのものの設計が非常に重要だと感じています。
調停でも交渉でも、形式的なやりとりの中に感情の衝突が紛れ込んでいる。
そのことに目を向けないと、法律の枠組みだけで解決するのは難しいと感じています。
話が通じないときこそ、
・感情の交通整理をする
・言葉の選び方やタイミングを見直す
・自分にとって「何を大切にしたいか」を見つける
そうした内面的な整理が、かえって前進につながることもあるのです。
「話し合おうとしても無理なんじゃないか」
「もう裁判しかないのかな」
そう感じている方にこそ、焦って結論を出す前に、
一度立ち止まって、自分の思考と感情を整理してみてほしいと思います。
どんな伝え方をすれば、自分の意思が伝わるのか。
どんな関係の終わらせ方が、自分にとって納得できるのか。
そうしたことを一緒に考えるのが、私のような弁護士の役割でもあると思っています。
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弁護士 粟野浩之
住所 :
京都府京都市中京区堺町通御池下る 吉岡御池ビル 8階
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